「いいたて学」で郷土愛醸成 福島県飯舘村の義務教育学校 歴史や伝統文化、復興への在り方考える
古里の活性化や復興について意見を交わす9年生
2023/11/27 09:27
福島県飯舘村の小中一貫義務教育学校「いいたて希望の里学園」では、古里に理解を深めて復興の在り方などを考える探究学習「いいたて学」を授業に取り入れている。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故を契機とした学びは、児童生徒の郷土愛を育む取り組みとして成果を上げている。
各学年でテーマを定めている。村の歴史や伝統文化を学ぶところから始め、最終学年では未来の姿を考える。このうち中学3年生に当たる9年生7人は今年度、「村の未来のために、何ができるか。どんなつながりを生み出すか」をテーマに掲げた。2班に分かれて村産花卉(かき)を使ったポストカードの販売、オリジナル動画のオンライン配信を実現させた。購入者や視聴者とのつながりが生まれたことで、村を応援してくれるファンづくりに一役買った。
9年生の阿部華瑠奈(かるな)さん(14)=伊達市在住=は、いいたて学を通じ古里を隅々まで知ることができたと強調。「村が一層好きになり、多くの人に魅力を知ってほしいという気持ちが芽生えた」と振り返る。
いいたて学は2020(令和2)年度の開校時から導入している。地域住民を授業に招くなどして村の歴史学習や伝統文化の体験、地域活性化を考える授業を行い、飯舘の将来を担う人材育成に努めている。