荷物輸送の「路線便」4月1日再開 福島県内の大熊、双葉、浪江3町 インフラ拡充で復興後押し
大熊、双葉、浪江の3町での路線便再開を担う郡山運送いわき営業所のトラック
2024/03/28 09:24
東日本大震災と東京電力福島第1原発事故で休止していた荷物の輸送サービス「路線便」が4月1日、福島県の大熊、双葉、浪江(一部地域を除く)の3町で再開する。輸送インフラの拡充で復興を後押しする。
路線便はサイズ・重量に制限がある「宅配便」と、車両1台を貸し切る「チャーター便」の中間として企業間で用いられる。大手物流業者が発注先のメーカーなどから都市部にある営業所や物流拠点まで荷物を運び、拠点から先の輸送は地元運送業者が担う仕組み。
今回は地元からの要望を踏まえ、郡山運送いわき営業所と宮田運輸福島事業所(福島県富岡町)が連携し、路線便の復活が決まった。3町の事業所への外からの荷物は、大手物流業者が郡山運送いわき営業所に持ち込み、宮田運輸福島事業所を経由して届ける。3町の事業所が外に荷物を出す場合は逆のルートになる。路線便の営業は月~金曜日で、料金は数量や重量、個数によって異なる。
原発事故で避難指示が出た地域では、移転や業態転換で運送業者が減った上、営業している企業が少ないため荷物量が安定せず、路線便の再開が課題だった。郡山運送いわき営業所の竹内誠所長は「進出企業の増加などを見据え、物流インフラで復興を後押ししたい」と話している。