福島県富岡町のIchido 花酵母のリキュール 30日発売
初商品のエンジュをPRする渡辺さん
2024/04/30 10:00
酒の企画・開発・販売などを手がける「Ichido(イチド)」(福島県富岡町)は30日、花から採取した「花酵母」を使ったリキュール「Enju(エンジュ)」を発売した。会社初の商品で、ツツジとサクラの2種を展開している。
渡辺優翔さん(23)が2022(令和4)年に会社を設立し、商品開発に挑んできた。渡辺さんの実家で、須賀川市の観光庭園「大桑原つつじ園」のツツジと富岡町夜の森地区のサクラから花酵母を採取し、醸造した米焼酎に果実やハーブをブレンドした。
花酵母の酒は果物風の香りが特徴。ツツジはリンゴ風の香りを生かしリンゴの果汁と、バナナのような匂いのサクラはモモの果汁と合わせた。瓶は花瓶に再活用できる形にするなど味わいやデザインにこだわった。只見町の合同会社ねっかで製造した。
アルコール度数は5%で1本500ミリリットル入り3500円(税込み)。専用ECサイトや富岡町観光協会などで購入できる。詳細は30日公開予定のECサイトから確認できる。売り上げの1%を東日本大震災と原発事故の被災地での花を使った活性化事業や花の生産者への支援へ寄付する。
渡辺さんは2026年ごろに夜の森地区に酒蔵を設ける構想を掲げる。「リキュールの種類を増やしていく。この他に日本酒や焼酎でも勝負したい」と話す。