地域の復興へ、これからも 「大町会」100回目例会 福島県南相馬市

 

100回目の例会を記念した講演会

 

2024/08/01 16:12

 

あいさつする猪又院長

 

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故直後、南相馬市原町区大町の大町病院の再開をきっかけに結成された大町病院・周辺地域商工業者懇談会「大町会」の例会が100回目を迎えた。7月31日、原町区のホテル丸屋グランデで記念の講演会が開かれた。地域医療について考え、地元の発展に向け力を合わせることを誓った。

 大町病院は震災と原発事故の影響で一時休止していたが、2011(平成23)年4月4日に再開した。避難者や休業している店舗が多かった大町地区の復興に向け、周辺の薬局や医薬品卸業、再開に協力してきた建設会社などと共に大町会を結成し、同年6月から毎月1回、課題の共有や情報交換の場として例会を開いてきた。「病院の明かりをともすことが地域の復興につながる」との思いで意見を交わし、絆を強めてきた。にぎわいの創出に役立てようと、例会は地元の飲食店を会場にし、交流を続けてきた。

 新型コロナウイルスで途絶えた時期もあったが、発足から13年で100回に達した。活動に携わってきた大町病院の藤原珠世副院長兼看護部長は「震災、新型コロナ禍と災難が続いたが地域の応援が支えになった。今後も会合を続け、課題解決につなげていきたい」と話している。

   ◇  ◇   

 100回記念講演会には、かつて大町病院の常勤医師として派遣されていた福島医大呼吸器外科学講座の鈴木弘行主任教授を迎えた。鈴木教授は、地域医療と最新医療の両立をテーマに講演した。

 開会のあいさつに立った大町病院の猪又義光院長は、震災後の病院再開時に得た地元の協力に感謝し「地域医療に貢献していきたい」と決意を新たにした。

 

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