「8月15日の特攻隊員」文庫化 福島県いわき市出身・道脇さん書き下ろしのノンフィクション 戦争の記憶伝える
道脇さんが執筆し文庫化された「8月15日の特攻隊員」の表紙
2024/08/06 16:24
福島県いわき市出身の道脇紗知さん(45)=同市小名浜在住=は2007(平成19)年に自身が書き下ろしたノンフィクション「8月15日の特攻隊員」をこの度文庫化した。
8月15日―。79回目の終戦の日がやってくる。戦後間もなく80年を迎える中、戦没者の遺族は高齢化が進み、戦争を知る世代は多くが鬼籍に入ったのが現状だ。
道脇さんが当時書籍の刊行に至ったきっかけは、戦争体験者の祖父の他界だったという。家族の足跡をたどる中で、「最後の特攻隊員」として戦死した、いわき市出身の大木正夫上飛曹(当時21歳)が血縁者であることを知った。
今回は文庫化に当たり、これまで語られていなかった大木上飛曹を直接知る人が現れたことを「あとがき」に添えた。残された者の深く長い悲しみの年月を垣間見ることができたという。
道脇さんは「戦後、価値観が大きく変わり、先祖と向き合う機会を奪われたように思う。家族を思いながら戦没した人々を忘れないでほしい」と話している。
「8月15日の特攻隊員」は7月末、いわき市内の書店などで販売を開始した。潮書房光人新社からの刊行で、1080円(税込み)。
問い合わせは道脇さん メールnskc.michiwaki@amail.plala.or.jp