焼酎「波倉の風」が完成 来年の発売目指す 福島県楢葉町のナミクラ

松本町長に焼酎の完成を報告した渡辺社長(中央)と渡辺専務(右)
2025/04/08 10:39
福島県楢葉町波倉地区の建設業などを手がけるナミクラが準備を進めてきたサツマイモの焼酎「波倉の風」が完成した。醸造した約300本を試供品として活用し、意見を集めながら来年の販売開始を目指す。
720ミリリットル入りでアルコール度数は25度。波倉地区内の畑で栽培したサツマイモを使っている。醸造は郡山市の笹の川酒造に委託した。
波倉地区は東日本大震災の津波で多くの住宅が流失し、東京電力福島第1原発事故による避難を余儀なくするなどした。復興を目指し、2013(平成25)年に地区の住民有志で任意団体「楢葉町波倉地区復興組合」を結成。組合を母体とする株式会社のナミクラが地域活性化策として昨年から畑を借りて焼酎造りに取り組んできた。今年はサツマイモの作付けを2倍強に増やす計画だ。
ナミクラの渡辺晋二社長と渡辺正純専務が7日、町役場を訪れ、松本幸英町長に完成を報告した。渡辺専務は多くの協力の下で完成したと感謝の意を表し「波倉の風を手に昔話を語り合いたい。復興への起爆剤になってほしい」と述べた。松本町長は「地域から声が上がったことを頼もしく思う」と激励した。