心癒やす芝桜、住民交流の場に 福島県南相馬市の大町西団地 阿部さん、森さんが心込め手入れ

 

芝桜の手入れに励む阿部さん(左)と森さん

 

2025/04/24 18:18

 

 福島県南相馬市原町区の大町西団地の庭に芝桜が咲きそろい、周辺住民の心を癒やしている。東日本大震災の災害公営住宅として建てられた団地で、住民の交流の場として親しまれている。

 阿部静江さん(85)と森チエ子さん(89)が中心になって手入れをしている。阿部さんは小高区浦尻、森さんは鹿島区烏崎出身で共に震災の津波で自宅を流され、団地が開設された2015(平成27)年4月に入居した。

 もともと草花が好きだった2人は、5年ほど前から親戚から譲り受けた芝桜を庭に植え始めた。ほかの住民からも苗が寄せられるようになり、マリーゴールドやホウセンカ、スイセン、チューリップ、アジサイなども植えていった。

 4月から5月は芝桜の季節で、今年も白やピンク、紫の花が見頃になっている。近所の住民が散歩がてらに集まり、眺めを楽しみ会話を弾ませている。

 団地には震災によって家族が離ればなれになり高齢者だけで生活する世帯が多い。庭の花は、引きこもりがちな高齢者を外出に誘うきっかけになっているという。水やりや草むしりに励む阿部さん、森さんは「花とふれあうのが楽しみで、自分自身の健康づくりにもなっている。これからも四季折々の花をきれいに咲かせていきたい」と話している。

 

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