五感で里山学ぶ場に アクアマリンの改修エリア、7月オープン予定 福島県いわき市

生き物発見エリア整備予定地で「自然への扉を開く施設を目指す」と意気込む神田さん
2025/05/07 10:26
福島県いわき市小名浜のアクアマリンふくしまは「わくわく里山・縄文の里」コーナーを「里山体験エリア(仮称)」に改修している。開館25周年を迎える今年7月のオープンを予定している。一新される展示を通じ、自然への扉を開く施設として新たな一歩を踏み出す。
「わくわく里山・縄文の里」は、海・山・川の循環や環境保全を考える屋外施設として2015(平成27)年7月の開館15周年に合わせて設けられた。約1・2ヘクタールの敷地に渓流や滝、山、湿地を再現し約200メートルのトンネルの窓から風景が楽しめたが、エリア内に入ることはできなかった。
改修後は、これまで以上に里地や里山の自然を体験できる施設となる。保護者が見守りつつ安心して川遊びができる場所や水中生物を観察できるデッキを新設。「モミジ谷」では秋に紅葉のライトアップも計画している。森や水辺の生き物を見つけるエリアなどもあり、世代を問わず自然との調和が楽しめる。
同館職員で縄文の里改修プロジェクトリーダーの神田武志さん(56)らは「体験プログラムが増え、より自然に興味関心を高めてもらえるエリアになる」と笑顔を見せる。神田さんによると、海の近くの施設で里山に特化した展示があるのは国内でも例がないという。これまで10種類程度の生き物を展示していたが、改修後は最大50種類程度まで増える予定で、里山に暮らす隠れた生物を探したり動植物に触れたりしながら、生物多様性を五感で学ぶ場にしていく。
「展示で学び、自然を求めて出かけたくなるような施設を目指す。震災前の入館者数に近づくよう目玉の一つにしたい」と神田さん。館長の古川健さん(62)も「多くの来場を心から期待している」と呼びかける。新エリアの名称は6月中旬ごろに発表される。
アクアマリンふくしまは2000年に開館。2024(令和6)年度の入館者数は62万2737人と東日本大震災以降で最多を更新している。