アンモナイト化石2種、福島県内で初発見 いわきの地層から出土 県立博物館研究グループ、研究進展に期待

 

エゾセラス・ミオチュバキュラータムの化石

 

2025/05/15 11:08

 

シュードオキシベロセラス属の化石

 

 福島県いわき市の地層から、中生代白亜紀後期チューロニアンから中期コニアシアン(約9140万~約8800万年前)に生息していた2種のアンモナイトの化石が県内では初めて見つかった。いわき市アンモナイトセンターの発掘体験で発見された化石もあり、市民と研究者の協力で県内の化石研究が進むと期待される。

 県立博物館(会津若松市)の猪瀬弘瑛主任学芸員らの研究グループが14日、発表した。県内初の発見となったのは「エゾセラス・ミオチュバキュラータム」と「シュードオキシベロセラス属」の一種。これまで国内では北海道でしか見つかっていなかった。

 アンモナイトは地層の年代の特定につながる示準化石として知られる。今回の発見は、海流や陸地の変動がどのように起きたのかを解明する貴重な手掛かりになるとみられる。

 研究は日本古生物学会の国際学術誌に掲載された。2種と同じく、いわき市で見つかった「ユーボストリコセラス・インドパシフィカム」と「ヤベイセラス・オリエンタレ」、いわき市と広野町で発掘された「エゾセラス・エレガンス」の化石についても記した。

 今回の研究では北西太平洋区と南方のテチス区の特有種が混在していることが分かった。このため、化石が見つかった双葉層群は二つの海流がぶつかり合う地域だったのではないかと推察されるという。

 化石は今後、県立博物館とアンモナイトセンターに展示する。猪瀬主任学芸員は「一般市民が見つけた化石が研究を進展させる大きな力になった。県内からもっと多くの化石が見つかってほしい」と話した。

 

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