【震災・原発事故14年】ありがとう「桜風舎」 福島県富岡町のNPO 郡山市の交流拠点閉所

「人の駅 桜風舎」での思い出を振り返り、活動充実への決意を新たにする青木代表(右)ら
2025/05/21 10:22
NPO法人富岡町3・11を語る会が事務所兼発表の場として福島県郡山市に構えた「人の駅 桜風舎[おうふうしゃ]」は20日、閉所した。記念イベントが現地で開かれ、会員が東京電力福島第1原発事故で市内に避難した富岡町民の交流や情報発信の拠点となった施設の思い出を振り返った。
青木淑子代表ら会員約10人と支援者らが参加した。震災の記憶を伝える活動の様子を収めた映画「伝えたい ずっと…~富岡町の語り人~」を鑑賞し、震災後の歩みを懐かしんだ。一人一人が「コロナ禍に集まってマスクを作った」「桜風舎の名を話題に出して忘れないようにしたい」「楽しかった活動を富岡でも続ける」などと施設への思いを披露。青木代表は「場所がなくなっても活動自体は活性化を目指したい」と意欲を示した。
桜風舎は2015(平成27)年7月、多くの富岡町民が避難する郡山市に開所し、避難者や市民の交流拠点となった。手芸教室の開催、震災前後の写真展示などを通じて古里の現状を発信してきた。避難指示解除に伴い双葉郡での活動機会が増え、利用者の減少、会員の高齢化なども相まって閉所を決めた。一方、語る会は町内の事務所を拠点に、市内での交流・伝承活動を続ける。