女性の出場条件緩和で「感謝しかない」 「相馬野馬追」再出場の阿部日向子さん 福島・小高郷

裸馬の追い込み役を務める阿部さん(右)
2025/05/27 15:35
「20歳未満の未婚者」とする女性の出場条件が撤廃された相馬野馬追で、再出場を果たした小高郷の阿部日向子さん(26)は「楽しく終われて良かった」と3日間の野馬追を振り返った。
父が毎年出場しており、子どものころから馬に親しんでいた阿部さんにとって野馬追は身近な存在だった。小学5年で初陣を飾り、東京電力福島第1原発事故の影響で埼玉県に避難してからも度々出場したが、2018(平成30)年に19歳となり同年で野馬追を引退した。
以降は家族の出場を支えたが、予定がなければ週末に南相馬市を訪れて馬に乗り、再出場への思いを募らせた。今年2月に女性の出場条件が緩和され、「引退を考える必要がなくなり、感謝しかない」と喜んだ。
7年ぶりに出陣した相馬野馬追で行列や神旗争奪戦、野馬懸で裸馬の追い込み役を務めるなど、積極的に行事に参加した。父は今年、諸事情で出場を見送ったが「来年は父と兄と3人で出たい」と来年を見据えた。