40年の歴史に幕 「江名お盆野球」最後の開催 白熱の試合繰り広げる 福島県いわき市

 

開会式で選手宣誓する藤井さん(中央)

 

2025/08/18 17:30

 

 約40年にわたってお盆に毎年開かれてきた福島県いわき市江名地区の軟式野球大会(江名お盆野球)が15日、市内の小名浜野球場で最後の開催を迎え、長い歴史に幕を閉じた。

 大会は、進学や就職で古里を離れた地元出身の人がお盆に帰省した際、交流を深めようと江名体育協会が1985(昭和60)年に始めた。2011(平成23)年の東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の発生後も中断せず、2019(令和元)年まで34回連続で実施した。

 コロナ禍で2020年から中止を余儀なくされた上、2023年末には大会を支えてきた県野球連盟磐南支部(磐南野球連盟)が審判団の高齢化などを理由に解散。昨年の開催を見送っており、今年の大会で最後とすることを決めていた。

 今大会には県内外から江名地区にゆかりのある約120人が参加。開会式では「江名」の藤井陽太さんが選手宣誓した。10代後半から50代半ばまでの5チームがトーナメント戦で白熱した試合を展開した。優勝は「紫」、準優勝は「江名」だった。市内の学童野球チーム「江名グランパス」の子どもがボールボーイなどを務め、保護者と共に大会運営を担った。

 江名グランパスの坂本怜士代表は「大会を続けてきた歴代の方々に感謝したい。一区切りにはなるが、今後は若い人が新たな形で引き継いでくれることを期待する」、江名体育協会の佐藤修会長は「大会終了は残念だが、関係者の協力に感謝しかない」とそれぞれ語った。

 受賞者は次の通り。

 ▽最優秀選手賞=吉田豊光(紫)▽優秀選手賞=永山結斗(江名)▽敢闘賞=海津順一(紫)

 

関連記事

ページ上部へ戻る