サケの稚魚放流 楢葉・木戸川 地元児童、園児ら
楢葉町の木戸川漁協は十六日、同町の木戸川にサケの稚魚を放流した。東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から十年の節目に、漁業復活の願いを込めて地元の小学生らが取り組んだ。
楢葉南北小の全校児童百人と、あおぞらこども園の五歳児二十一人が参加した。松本秀夫組合長と松本幸英町長があいさし、児童代表の政井大輔君(六年)が「元気にサケが木戸川に戻ってくることを楽しみにしています」と話した。
今回放流したのは漁協がふ化させた稚魚と楢葉南北小の四年生が育てたもの合わせて約五千匹。子どもたちは「大きくなって帰ってきてね」と言いながら、川に稚魚をそっと放していた。同漁協は三月末までに計二十九万匹の放流を予定している。
木戸川では震災前には、多い年で年間十万匹以上のサケが水揚げされていた。これに対し、海の環境の変化などにより昨年の漁獲量は約七百五十匹にとどまっている。