聖火リレーあと2日 郡山の帝京安積高和太鼓部 新たな衣装で演奏
Jヴィレッジ(楢葉・広野町)から始まる東京五輪聖火リレーの出発まで二十三日で残り二日。県内区間の発着点や沿道などでランナーを激励する各団体の準備は大詰めを迎えた。関係者は心を込めた演奏や大切に育んできた地域文化を世界に発信し、東日本大震災、東京電力福島第一原発事故からの再生をアピールする決意だ。新型コロナウイルス感染対策に気を配りながら備えを万全にし、晴れの舞台で「復興五輪」を体現する。
県内の最終日となる二十七日に演奏を披露する郡山市の帝京安積高和太鼓部は、県内の素材や技術を使った新しい衣装で躍動感あふれる演奏を披露し、ランナーを応援する。二〇二〇(令和二)年度は創部二十周年、二〇二一年度は同校の創立六十周年の節目。協力してくれた地域の思いを背負い盛り上げる。
衣装は袖のない羽織のような形。白地で、赤い襟と肩口には会津木綿を使った。背中に「帝京あさか」の文字、胸に建学精神「一源三流」を表す印が描かれている。
デザインは同校(旧安積商高)の創設者・故安藤利雄さんの娘で、市内のブティック「マダムタカコカンパニー」社長の鈴木尚子さん(83)が手掛けた。書は、鈴木さんの文化服装学院時代の親友でファッションデザイナーのコシノヒロコさんが担った。
会津木綿の色染めを郡山市の野田屋呉服店、羽織の下に着けるベルトの縫製を福島市の就労継続支援B型事業所「なのはなの家」が行うなど、県内の団体や企業が協力した。顧問の坂本雄一教諭(49)は多くの支援に感謝しながら「聖火をつなぐように、地域に愛される部の伝統もつなぎたい」と意気込む。
二十七日は走行ルート沿いの郡山市役所で、あさか開成高フラ・タヒチアンダンス同好会と共演する。
帝京安積高和太鼓部は衣装製作への寄付を募っている。問い合わせは同校 電話024(941)7755へ。
■喜多方、喜多方東、喜多方桐桜高 吹奏楽部合同ステージ
二日目の二十六日に聖火ランナーが走る喜多方市。ゴール地点の喜多方プラザでは、喜多方、喜多方東、喜多方桐桜の三高校の吹奏楽部による合同演奏が聖火リレーに花を添える。生徒三十一人が「パプリカ」「やってみよう」「マーチ・スカイブルー・ドリーム」の三曲を奏でる。
このうち喜多方東高は喜多方高との統合に伴い、今月末で九十三年の歴史に幕を閉じる。同校音楽部吹奏楽班の田中茉彩(まあや)さん(17)=二年=は「喜多方東高生として最後に大きなイベントに携われてうれしい。音楽の力でランナーの心に響くような演奏をしたい」と意欲を見せている。