南相馬市に秋田犬 秋田・大館市が今月末にも寄贈 旧避難区域の有害鳥獣対策
南相馬市は四月末にも、秋田犬の古里として知られる秋田県大館市から秋田犬一匹の寄贈を受ける。東京電力福島第一原発事故に伴う旧避難指示区域の有害鳥獣による農地被害対策に活用する。秋田犬はオオカミの血を引くとされ、秋田犬が農地周辺に小便をすることで、イノシシなどを近づけない効果があると期待されている。
南相馬市によると、秋田犬は動物行動学に詳しい市内小高区在住の男性が飼育する。全域が避難区域だった市内小高区の住民帰還が進んでいない地域では農地被害が確認されている。市農政課の担当者は「農地用防護柵の購入費を補助しているが、効果は限定的」と話す。
大館市によると、寄贈されるのは二月に生まれた赤毛の雄。市観光交流スポーツ部の担当者は「地域課題の解決に貢献できればうれしい」と語る。
このほか南相馬、大館の両市は災害時の相互援助に関する協定を締結する方向で調整している。大規模な災害が発生した際に人材派遣、物資供給などで支援し合う。