福島県内の新型コロナ、最多74人感染 病床使用率8割迫る 9日発表分
県は新型コロナウイルス感染により県内の医療機関に入院していた女性の死亡と、七十四人の新型コロナ感染が確認されたと九日、発表した。一日当たりの新規感染者七十四人の確認は過去最多で、これまで最多だった七日発表分の七十人を更新した。入院者は予定を含め三百七十一人となり、県が確保している病床四百六十九床の使用率は79・1%(前日比5・8ポイント増)で過去最高を更新し、八割に迫っている。
■10万人当たり療養者数31.47人 初のステージ4
予定を含めた入院者、宿泊療養施設入所者、自宅療養者を合わせた療養者数は五百八十一人となり、人口十万人当たり三一・四七人で過去最多を更新。最も深刻なステージ4(爆発的感染拡大)の指標「三十人以上」を初めて超えた。
人口十万人当たりの療養者数三一・四七人は一週間前の一日時点の二〇・二六人から一一・二一人増え、県内で急速に感染が広がっている実態を示している。
病床使用率はステージ4の指標「50%以上」を十二日連続で上回った。
七つの指標のうち、二つがステージ4、二つがステージ3(感染急増)に達しており、県内で医療提供体制の逼迫(ひっぱく)度合いが高まっている。
女性は八日に死亡した。七十四人の陽性は八日までに判明した。七十四人のうち感染経路不明者は二十九人だった。県内の死者は累計百二十八人、感染者は累計三千八百六十人となった。
■新型コロナのクラスター15人に拡大 福島市の飲食店、新たに3人陽性
福島市は九日、新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生した市内置賜町の飲食店「クラブジェネシス」の利用者三人の陽性が確認されたと発表した。クラスターは計十五人に拡大した。
三人のうち二人は市が八日、陽性が確認されたと発表していた。市によると七十代と四十代の会社員男性で、同クラブでのクラスター発生を受け、市に相談しPCR検査を受けた。感染経路などを聞き取り、同クラブのクラスターに含まれると九日、市が判断した。県が九日に発表した感染者に含まれる。
市によると、残る一人は、既に県が発表していた市外の陽性者。同クラブを利用していたことが判明し、九日、福島市がクラスターに含まれると判断した。
■原町高教職員感染 原町高教職員1人の感染確認
県教委は原町高の二十代女性教職員の新型コロナウイルス感染が確認されたと九日、発表した。
県教委によると、女性は八日に陽性が判明した。県の九日発表分に含まれる。保健所の調査によると、学校関係者に濃厚接触者はいないという。
■若松市立学校教職員1人も
会津若松市教委は九日、市立学校の教職員一人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。
教職員は六日に体調不良を訴え、PCR検査を受けた。八日に陽性が判明した。
市教委は十日から十四日まで、教職員が勤務する学校と校内のこどもクラブを休校とする。教職員と接触の多かった学級を十七日から二十一日まで閉鎖する。
■郡山市立保育所のPCR陰性 全員の陰性確認 郡山市立保育所保育士接触者ら
七日に郡山市立保育所に勤める女性保育士の新型コロナウイルス感染が分かったのを受け、市は女性と接触のあった保育士九人、職員一人、園児三十三人の計四十三人にPCR検査を実施し、全員の陰性を確認した。九日に発表した。
保育所は感染予防対策を徹底し、十日から通常通り開所する。
■県内16人退院 11人退所、5人解除
県内で新型コロナウイルスに感染した入院者十六人が八日、県内の医療機関を退院した。同日、宿泊療養施設の入所者十一人が退所し、自宅療養者五人が療養解除となった。県が九日、発表した。
八日現在の入院者は、予定者と宿泊療養施設入所者、自宅療養者を含めて五百八十一人で、このうち重症者は二十一人となっている。