処理水タンク満杯「2023年春」 政府と東電、新設などで先延ばし
東京電力福島第一原発で増え続ける放射性物質トリチウムを含んだ処理水について、政府と東電は二十七日、処理水を保管するタンクが満杯になる時期を「二〇二三(令和五)年春ごろ」との見通しを示した。これまで「二〇二二年秋以降」としてきたが、海洋放出の準備に伴い約三万トン分のタンクを新設することや現時点の汚染水発生量を踏まえ、先延ばしした。
東電によると、放射性物質の測定など放出準備に関連してタンクを新設することで、全体の容量が事実上百四十万トンに増える。四月に政府が海洋放出を決定した際、放出までに二年程度かかるとしたため、タンク増設の必要性が指摘されていた。