11年ぶりアユ釣り解禁 福島県楢葉町の木戸川
福島県楢葉町の木戸川で4日、東京電力福島第一原発事故発生以来、11年ぶりにアユ釣りが解禁された。解禁を待ち望んだ多くの釣り人が訪れ、早朝から川面に釣り糸を垂らした。
原発事故で避難区域になった地域の川で釣りが解禁されるのは初めて。河口から3キロほどの6号国道近くでは、午前5時の打ち上げ花火の合図とともに釣り人が川に入り、アユを次々に釣り上げていた。
喜多方市の会社員猪熊重男さん(67)は「待ちに待った再開でうれしい」と笑顔を見せた。木戸川は天然上(そじょう)のアユも多く、魅力がある川だという。原発事故発生後は仕事で楢葉町をたびたび訪れており、「復興が着実に進んでいると感じる。解禁により地元に活気が生まれるはず」と期待した。
県が実施した20回の放射性物質検査では、基準値を大きく下回るなど安全を確認してきた。木戸川漁協ふ化場長の鈴木謙太郎さん(39)は「アユ釣りは町の夏の風物詩だったので、復活できてうれしい」と声を弾ませた。
同漁協は年券や日釣り券を販売している。問い合わせは同漁協へ。