世界的建築家の隈研吾氏がデザイン 福島県浪江町のJR常磐線浪江駅周辺整備事業
福島県浪江町で計画が進むJR常磐線浪江駅の周辺整備事業で、新国立競技場を設計した世界的建築家の隈研吾氏(67)が木材を基調にした建物をデザインし、東京芸大特任教授でプロジェクト・プランナーの伊東順二氏(68)が街並みをプロデュースする。駅周辺の燃料は町産水素を使う予定で、住友商事が技術協力する。町内で製造・研究が進む木材と水素を活用し、持続可能なまちのモデルをつくり、復興を発信していく。
5日、浪江町と隈研吾建築都市設計事務所、伊東順二事務所、住友商事が、デザインの力による浪江町の復興まちづくりに関する協定を締結した。
対象面積は駅東西に広がる約8ヘクタール。隈氏と伊東氏は長年、手を携えて各地で事業を展開している。両氏による8ヘクタールの広域の空間デザインは国内最大となる。
隈氏は交流施設やマンションタイプの公営住宅の設計、商業施設の外観デザインの監修、伊東氏は駅前オープンスペースの空間デザインや中心市街地全体のグランドデザインなどを担う。
隈氏がこれまでに手掛けた新国立競技場や高輪ゲートウェイ駅などは木材を豊富に採用し、環境や文化に配慮した建築を追求してきた。伊東氏と連携し、浪江町でもデザインの力を通して持続可能なまちの創造を目指す。
住友商事の知見やネットワークを生かして駅前に水素ステーションを整備し、水素を中心に太陽光発電や蓄電池を組み合わせる。使用電力を100%再生可能エネルギーで賄う「RE100タウン」を実現する。
今年度内にマスタープランを作成し、基本設計、実施設計を進める。2024(令和6)年以降、各施設・機能を順次着工し、2025年度中のグランドオープンを目指す。
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浪江町沿岸部の棚塩地区では、国内最大規模の木材製品生産拠点施設「福島高度集成材製造センター(FLAM)」の整備が進んでいる。隣接地には、世界最大級の水素製造実証拠点「福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)」が稼働している。