爆発事故を乗り越え最高賞に輝く 福島県田村市の冨士写真館・白岩大和社長
福島県田村市船引町の冨士写真館社長、白岩大和さん(34)は、県写真館協会が主催するコンテストの営業、婚礼両部門で金賞を獲得し、最高賞の会長賞にも輝いた。同社が郡山市に出店した新しいスタジオは、2020年7月の飲食店爆発事故に巻き込まれ、大きな損害を受けた。困難に見舞われながらも情熱を失わず、写真の道を追究した成果が実を結んだ。
白岩さんが同コンテストで金賞を受けるのは、新型コロナウイルスの感染拡大で中止となった昨年を除き5回連続で、2部門同時は初めて。営業部門には「Love family」と題した家族写真、婚礼部門には「幸せの窓辺」の題名で窓辺に立つ新婦の写真を出品した。「幸せの窓辺」は、東北六県写真師会連合会のコンテストで銀賞に入った。
白岩さんは「新しいスタイルのスタジオをつくりたい」と昨年1月、郡山市に冨士写真館の姉妹店「アメリー」を開いた。撮影室にアンティーク家具をそろえた自慢の店だった。半年後に起きた飲食店の爆発事故で大破し、失意のどん底に突き落とされたが、同業の仲間や先輩の激励、「写真を撮ってほしい」という客の声に背中を押され、仕事を続けた。
白岩さんは「事故の後も写真を撮り続けられるのは奇跡。今回は特別な思いでコンクールに臨んだ」と振り返る。一緒に冨士写真館で働く渡部文絵さん(36)は営業部門入選二席、田原恵美さん(40)は同部門入選四席に選ばれた。アメリーは郡山市久留米に移転・再開できた。爆発事故の事後処理はまだ残っているが、明るい話題が続く。白岩さんは「応援してくれた皆さんに頑張っている姿が伝わっていればうれしい」と話している。