「磐城イセエビ」ブランド化へピッツァとパスタソース開発 福島・いわき市
福島県いわき市でイセエビの水揚げが好調だ。市内小名浜の鮮魚仲買・水産加工業「上野台豊商店」の上野台優社長(45)は市内の漁港で水揚げされたイセエビを「磐城イセエビ」と命名し、商品開発に乗り出した。地元での知名度はまだ低いが、「いわきの新たな名物になれば」と「新顔」に期待を込める。
伊勢エビはこれまで茨城県が安定的に漁獲できる北限とされていたが、近年、漁獲量が伸び始め、2019年は3・7トン、2020年は4・4トンだった。今年は特に多く、7月までに昨年同期の4倍近い1・2トンの水揚げがあった。ただ、多くは首都圏に出荷され、市内での流通量は少ないのが現状だ。
上野台社長はこうした点に着目し、7月末ごろからブランド化と商品開発に取り組んできた。9月にはツイッター上で名称の募集をしたところ、「常磐えび」、「磐城えび」など多くの反応があった。意見を踏まえ、元のイセエビの名を残した「磐城イセエビ」という名称を付けた。
今回、「磐城イセエビのピッツァ」と「磐城イセエビのクリームパスタソース」の2商品を開発した。ピッツァには身をぜいたくに散りばめ、トマトソースには殻から煮出した出汁をふんだんに使った。市内のイタリアンダイニング「La Stanza(スタンツァ)」のシェフ北林由布子さん(51)が監修、調理を担った。
ピッツァは18日から同社の通販サイトで販売する。パスタソースの販売時期は未定。今後、イセエビの半身のグリルも開発し、セットで販売する予定。上野台社長は「魚離れが進む中、いわきの海産物のおいしさを伝えて魚を食べてもらうきっかけにしたい」と意気込んでいる。問い合わせは同社へ。