津波の記憶後世に 震災遺構・請戸小が10月24日から公開 福島の浪江

 
 東日本大震災による津波被災の記憶や記録を後世に伝えるため、福島県内初の震災遺構として整備を進めてきた浪江町の請戸小で10月24日、開館記念式典が行われる。町が22日発表した。式典終了後、一般公開を開始する。

 請戸小は海岸から約300メートルの場所にあり、津波が2階まで押し寄せ、1階部分が流失した。町は被災したままの姿をできるだけ残し、来訪者の安全確保に向けた工事を進めてきた。

 新設した管理棟では、請戸地区の成り立ちや震災前の請戸小の活動風景をパネルで紹介。校舎1階はルート順に、紙芝居「請戸小学校物語」の絵を並べる。10年前の3月11日、既に下校していた1年生を除く2年生から6年生までの児童82人が、どのように大平山まで避難し無事だったかを、当日の動きに合わせて展示する。2階では、請戸地区の航空写真や請戸小の校旗・校章などを掲げる。地区住民をインタビューした映像などを放映する。

 小型車20台、大型車5台、身障者用2台の駐車場を整備した。入場料は、個人で大人300円、高校生200円、小中学生100円。20人以上の団体は各50円引きとなる。

 10月24日の開館記念式典では、卒業生のあいさつや地域の伝統芸能「田植え踊」が披露される。

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 請戸小の周辺では、鎮魂の場「先人の丘」や復興祈念公園の整備が進んでいる。

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