富岡川に11年ぶり金属製やな場設置 本格的なサケ漁復活へ 福島県富岡町
福島県富岡町の富岡川漁協は18日、富岡川河口付近で遡上(そじょう)するサケを捕獲する金属製の「やな場」の設置作業を始めた。東日本大震災に伴う津波で被災して以来、11年ぶりの設置で、組合員らは本格的なサケ漁の復活を目指し組み立て作業を進めている。
同漁協では、震災による津波で河口近くの、ふ化施設が流され、やな場も土台部分が壊された。2017(平成29)年に東京電力福島第一原発事故による避難指示が解除されたのに伴い、簡易のやな場を設けてサケ漁を行っていたが、伝統の漁を再興させようと町がやな場と、ふ化施設の復旧を進めてきた。
18日は組合員7人が富岡川に入り、やな場の土台部分に真新しい金属製の支柱などを設置した。19日には、やな場が完成する予定で、今月下旬から来月上旬にかけて合わせ網漁などを行う。
同漁協は近く、上流に再建したふ化施設の運用を始める。捕獲したサケの販売も行い、町のにぎわいづくりにつなげる。猪狩弘道組合長(78)は「全国的に漁獲量は少ないと聞いているが、多くのサケが遡上(そじょう)してほしい」と願った。
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