津波の怖さと心構え伝える 震災で常磐線乗客を避難させた斎藤警部補(いわき東署) 神奈川県横須賀市で講演
日頃の備えの大切さを訴えた斎藤警部補
2022/05/13 18:27
東日本大震災発生直後、JR常磐線の乗客を避難させ津波から守った、福島県いわき市のいわき東署に勤務する斎藤圭警部補(37)は11日、神奈川県横須賀市の鷹取中で「地域と連携した学校防災」のテーマで講演し、地震と津波の恐ろしさや日頃の備えの大切さを訴えた。
斎藤警部補は地震発生時、警察学校を卒業した直後で、常磐線に乗って配属先の相馬署に向かっていた。列車は新地町のJR新地駅に停車中で、居合わせたもう1人の警察官とともに約40人の乗客の避難誘導を決断したと説明。地震発生後に大津波警報が出ており、「地域の警察官として周りの人と協力しながら乗客を避難させる必要があった」と振り返った。
自らの経験を踏まえて地震と津波の恐ろしさや、万が一の事態への備えについても語った。「身近にある危険な場所や、安全な場所を普段から確認しておくことが大切」と呼びかけた。
約170人の生徒は斎藤警部補の話に真剣に耳を傾け、防災への意識を高めていた。生徒代表の青木心さん(3年)は「改めて身の回りに目を配りたい。災害はいつ来るか分からない。普段の備えが必要だと感じた」と述べた。
斎藤警部補は2019(平成31)年3月、福島県出身の教師が在籍していたことがきっかけで同校で講演した。今回の講演会も学校側からの依頼で実現した。