原発事故発生後初のコメ試験栽培始まる 福島県富岡町の復興拠点
田植え機で苗を植える新妻さん
2022/06/01 21:18
東京電力福島第一原発事故で帰還困難区域となっている福島県富岡町の特定復興再生拠点区域(復興拠点)で1日、原発事故発生後初となるコメの試験栽培が始まった。来春の避難指示解除に合わせ、営農再開を目指す。
試験栽培は川田地区で行われた。町から委託を受けた新妻有機農園(広野町)の新妻秀平さんが田植え機を使い、約30アールに県オリジナル品種「天のつぶ」の苗を植えた。
収穫は9月中旬ごろの予定。放射性物質の濃度を測定し、全て廃棄する。食品の基準値1キロあたり100ベクレルを下回れば来年度から作付けの制限が解除され、実証栽培に移行する。
富岡町産業振興課の渡辺善幸副主査は「担い手の確保にも力を入れながら、営農再開に取り組む」と話した。
町内の復興拠点約390ヘクタールのうち、農地は約90ヘクタールある。昨年、新夜ノ森・川田地区農業復興組合が両地区でホウレンソウなど5品目の試験栽培を実施した。