大熊町図書館で図書無料譲渡 解体のため最後の一般開放 22日まで

 

図書を譲り受ける来館者(右)

 

2022/06/22 09:38

 

 福島県の大熊町教委は22日まで、東京電力福島第一原発事故の影響で休館している町図書館を一般開放し、蔵書を無償で譲渡している。帰還困難区域の特定復興再生拠点区域(復興拠点)整備で解体するため、一般開放は今回で最後となる見込み。21日、住民らが読書のまちのシンボルとの別れを惜しんだ。

 一般開放は5月にも実施し、第2弾として実施した。歴史や地理、教育などの図書、文庫本、絵本など約5万冊が対象で、一人50冊まで譲り受けることができる。避難先のいわき市から来館した町出身の言語聴覚士平島直佳さん(23)は絵本や紙芝居など約20冊を選んだ。「きょうだいと毎週のように通っていた。解体は寂しいが、復興のためには仕方がない」と複雑な心境を語った。

 図書館は30日に避難指示が解除される復興拠点内にあり、年内にも解体工事が始まる見通し。22日の時間は午前10時から正午、午後1時30分から午後3時30分の2部制で、参加申し込みが必要。

 

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