浜街道、慰霊の道 震災十三回忌前に曹洞宗福島県青年会が海岸線を行脚 いわき市から新地町
いわき市薄磯の海岸を読経しながら歩く曹洞宗の若手僧侶
2022/10/13 09:39
東日本大震災から来年で十三回忌を迎えるのを前に、曹洞宗県青年会が福島県内の海岸線を行脚しながら犠牲者を慰霊する「福島浜街道 絆の道」に取り組んでいる。行程はいわき市から新地町の約140キロ。各地の慰霊碑や海岸で読経しながら、来年3月11日までに踏破する。
県内では震災で関連死も含めて4164人が亡くなり、来年の3月11日で十三回忌を迎える。犠牲者を供養するとともに、福島の現状に目を向けてもらおうと今年9月、いわき市の勿来海岸を皮切りに行脚をスタートさせた。
12日には津波で大きな被害が出た同市の薄磯地区を12人の僧侶が訪れた。黒衣に地下足袋、網代笠(あじろがさ)姿で塩屋埼灯台を出発。海岸で読経した後、市内の新舞子ビーチまでの約7キロを歩いて北上した。
来年3月10日に新地町までを踏破し、翌11日に十三回忌の法要を行う予定。実行委員長を務める長照寺(猪苗代町)の楠恭信住職(43)は「県内には復興の進む場所と、時間が止まったままの場所がある。僕らが現地を歩く姿を見てもらうことで、福島にいま一度、思いを寄せてもらいたい」と話した。