「J1基準スタジアム整備を」 福島県いわき市長協力表明 いわきFC躍進後押し

 

来季のホームゲームの使用に向けて改修が進むいわきグリーンフィールド

 

2022/11/02 09:46

 

 福島県いわき市の内田広之市長は1日、サッカーJ3のいわきFCを運営するいわきスポーツクラブと協力し、2025(令和7)年6月をめどに、J1基準を満たすスタジアムの整備計画を作る方針を示した。クラブはJ2基準のホームスタジアムを持たないまま例外規定を適用して来季のJ2ライセンスを受けており、躍進を続ける中で課題となるスタジアム整備を地元が後押しする。

 内田市長は1日の会見で、今季終盤で首位に立つクラブのJ2昇格が現実味を帯びてきた点を踏まえ、「スタジアム問題で昇格できなかったり、降格したりする事態にならないようにしたい」と述べた。観光や教育など多分野で地域に貢献しており、クラブへの協力が市の発展に大きく寄与するとの考えを強調。計画の作成に向け、「国の補助金や団体からの助成金など知恵を絞っていきたい。クラブの意見を聞きながら協力する」とした。

 整備計画はクラブが主体となって作る。設立7年の異例の速さでカテゴリーを上げ続け、スタジアム整備が追い付かないクラブ側は市の協力を好意的に受け止める。大倉智社長は「行政のバックアップに感謝したい。今季は3試合残っているので、昇格できるよう頑張る」とコメントした。クラブの担当者は「来季J2に昇格できれば、J1昇格というチャンスにも備える必要がある」と強調した。

 地元経済界も協力に前向きだ。小野栄重いわき商工会議所会頭は「計画が実現するよう、経済界は市民団体と市をサポートできるような環境をつくりたい」と話した。

 

■計画詳細は今後検討

 スタジアム整備計画の詳細はまだ固まっていない。既存施設の改修か新設か、民営か公営か、立地や予算規模についても今後詰める。クラブと市は協力しながら検討を重ねる方針。

 J1基準を満たすスタジアムには(1)1万5千人以上を収容可能(2)1万席以上の座席(3)新設か大規模改修の場合、全ての観客席を覆う屋根を設置―など多数の条件がある。

 クラブの来季のホームスタジアム「いわきグリーンフィールド(いわき市)」は現在、市がJ3基準を満たす座席数5030席への増設や照明新設の改修を進め、2023年3月までに工事を終える予定。ただ、この改修ではJ2基準を満たせず、例外規定の適用に必要な記者室やドーピング検査室などの設備を併せて整備している。

 クラブはこの例外規定を適用し、先月25日に来季のJ2ライセンス交付を受けた。例外規定で昇格した場合、3年以内に場所や予算を示した具体的なスタジアム整備計画のJリーグへの提出が求められる。来季からJ2で戦うことになれば、2025年6月までに計画を提出し、2031年シーズンの開幕までにスタジアムを完成させる必要がある。

 

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