約１２年ぶりに執り行われた初午祭の神事

2023/02/05 18:10

　福島県双葉町の前田稲荷神社で５日、初午（はつうま）祭の神事が約１２年ぶりに執り行われた。住民が町のさらなる復興や地域の安全を祈願した。

　祭りは旧暦２月の初午の日にちなみ、地域の恒例行事として住民に親しまれてきた。東日本大震災と東京電力福島第１原発事故の発生で休止していたが、昨年８月に神社がある特定復興再生拠点区域（復興拠点）の避難指示が解除され、再開を決めた。本来は宝財踊りや神楽の奉納など祭事を行うが、今年は中止した。

　谷津田敬子権禰宜（ごんねぎ）が神事を行い、三字行政区の伊沢和夫区長らが玉串をささげた。伊沢区長は「１２年ぶりに神事を行うことができて感慨深い。来年は祭事を実施し、元の姿で開催したい」と先を見据えた。