撚糸を製造する機械を見つめる来場者

 

2023/02/26 09:43

 

４月２２日に開所する浅野撚糸の双葉事業所

 

　福島県双葉町中野地区の復興産業拠点に４月２２日に開所する浅野撚糸（本社・岐阜県）の双葉事業所がほぼ完成し、２５日に町民らに初めてお披露目された。県内外から大勢の人が訪れ、東日本大震災と東京電力福島第１原発事故からの復興に向けた新たな地域産業の創出や交流人口増加を目指す拠点として期待を寄せた。

　鉄骨２階建ての建物内部で糸を加工して作る撚糸（ねんし）を製造する２０台の機械を公開された。昨年１２月から試運転を続けており、主力商品のタオルの材料を作る機械の動きに来場者が見入った。

　販売ブースも設け、タオルなどが特別価格で販売された。タオル「エアーかおる」や町の復興を願って商品化したマフラータオル「ダキシメタフタバ」も並び、長蛇の列ができた。

　浅野雅己社長は「期待の大きさを感じた。復興につなげ、町にどんどん人を呼び込みたい」と語った。開所後は海外の衣類メーカーにも撚糸を売り出す方針で、「双葉の名前を世界に発信していく」と決意した。

　事業所の名称はフタバスーパーゼロミル。住民の憩いの場となるカフェや自社製品を販売する店、イベントスペースも設ける。将来的には観光施設化を目指す。