復興拠点避難指示解除の福島県富岡町を応援 新キャラクター「夜の森さくら子」誕生
「夜の森さくら子」を描いたのぼり旗を手に魅力発信を誓う遠藤さん(右)。左はコスプレイヤーの姫川ゆちこさん
2023/04/10 18:25
東京電力福島第1原発事故に伴う帰還困難区域のうち、特定復興再生拠点区域(復興拠点)の避難指示が解除された福島県富岡町を応援するキャラクターが誕生した。その名は「夜の森さくら子」。町内上手岡の農業遠藤正彦さん(53)が考案した。8、9の両日開かれた桜まつりでグッズを販売し、反響を呼んだ。遠藤さんは「キャラクターを通して富岡を知ってもらうきっかけになってほしい」と願う。桜の名所をPRし、町の復興を広めていく。
遠藤さんの経営する農産物の六次化商品販売業「彩(いろどり)みどり」がキャラクターを扱う。復興拠点の夜の森地区の避難指示解除に合わせ、町応援キャラクターの準備を進めてきた。フリーのイラストレーターに制作を依頼し、協議を重ねて、1年がかりで完成した。
若者に人気のアニメ風で、桜色の髪と着物姿。夜の森地区出身の20歳女性という設定だ。帰還者と避難者に向けた2種類ののぼり旗を作った。帰還者には、1日に復興拠点の避難指示解除に触れ「この場所が いいねと君が 言ったから 四月一日は サクラ記念日」。避難者には「この場所で またあえたね と君が言う あいたかったよ あの日からずっと」とメッセージをつづっている。
イラストが入ったクリアファイル、缶バッジをはじめ、富岡町の地酒のラベルやドリップコーヒーのパッケージにもなっている。
桜まつりではコスプレイヤーの姫川ゆちこさんが夜の森さくら子に扮(ふん)して、ファンと記念撮影する姿も見られた。