相馬野馬追の武具などオークション形式で販売 不要な道具継承 福島県南相馬市で交流会

 

使われなくなった相馬野馬追の馬具、武具が並んだ会場

 

2023/04/18 09:47

 

 福島県相双地方の伝統行事「相馬野馬追」の中ノ郷騎馬会(南相馬市原町区)は16日、市内の相馬太田神社で会員から不要になった武具などを預かり、オークション形式で販売する交流会を開いた。出陣がかなわなくなり、使われていない道具の継承を目指している。

 今回が初めての開催。甲冑(かっちゅう)をはじめ相馬野馬追を彩るさまざまな武具や馬具など約130点が会員らから寄せられた。売り上げは提供者に還元する。

 担当する同騎馬会副会長の大橋弘志さんは約6年前、野馬追に出陣していた後輩を亡くした。「使われなくなった道具を何か一つでも継承し、野馬追で身に着けてもらいたい」と機会を模索していた。周囲からもさまざまな理由で不要になった道具の有効活用を望む声が上がっていた。

 当日は、出品された武具の半数以上が購入された。大橋さんは「ここまで好評とは思わなかった。今後も道具の継承に向けて交流会を開きたい」と語った。

 中ノ郷から出陣している市議の岡崎義典さんは馬具の泥障(あおり)を買った。「出場騎馬数が減少する中でこうした催しがあれば、多くの人が道具の価値などを知る貴重な機会になると思う。今年の野馬追に活用したい」と話した。

 

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