使用済みペットボトルを再びペットボトルに 福島県南相馬市とサントリーが協定締結

 

協定書を交わす門馬市長(左)と風間副本部長

 

2023/05/11 09:28

 

 サントリーグループと福島県南相馬市は来年度から、市内で回収した使用済みペットボトルを全てペットボトルに再生する「ボトルtoボトル」水平リサイクル事業に取り組む。二酸化炭素(CO2)の排出量を大幅に削減できる同社のリサイクル技術を生かし、脱炭素、循環型の社会を目指す。10日、市役所で協定締結式を行った。同様の協定は東北地方の自治体で初めて。

 同社や市によると、回収されたペットボトルが新たなペットボトルに再利用されるのは2割ほどで、多くは衣料品などに加工された後、最終的には焼却処分されているという。同事業では資源物として出されたペットボトルを市が集め、同社指定のリサイクル業者が同社のペットボトルに再生する。石油から生産するのに比べ、CO2の排出量を約6割削減できるという。

 政府の地方創生人材支援制度で人材派遣を受けていた縁や、市が2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにする「ゼロカーボンシティ宣言」を掲げていることなどから協定締結に至った。リサイクル事業の他、住民の分別意識向上を図る啓発活動などに連携して取り組む。

 締結式では門馬和夫市長とサントリーホールディングスの風間茂明サスティナビリティ経営推進本部副本部長が協定書を交わした。門馬市長は「リサイクルが見える化する。楽しみながら持続可能なまちづくりを目指せる」と期待した。

 市によると、市内では2022(令和4)年度に約180トンのペットボトルが排出された。500ミリリットル換算で約900万本分に上るという。

 

関連記事

ページ上部へ戻る