「ちょんまげ院長」と道化師が共演 仮装で患者を訪問 福島県いわき市の常磐病院

 

「銭形平次」とピエロの姿で患者を訪ねた新村院長(中央)とラヴィヴさん(右)

 

2023/08/16 09:13

 

 福島県いわき市の常磐病院の新村浩明院長(55)とイスラエルで「メディカル・クラウン」として活動するアムノン・ラヴィヴさん(64)は15日、仮装して院内を巡回し、患者を楽しませた。

 メディカル・クラウンは道化師、ピエロの姿で入院中の子どもや大人の病室を訪ね、笑顔を届ける取り組み。新村院長は時代劇の主人公「銭形平次」、ラヴィヴさんは赤い鼻が特徴の道化師にふんし、一般、療養病棟を訪ねた。ラヴィヴさんがギター演奏や手品を披露すると、患者は顔をほころばせた。

 新村院長は2014(平成26)年から毎月1回、患者宅や病室を仮装訪問している。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の発生後、ふさぎがちな高齢の患者に笑顔を取り戻してもらおうと続けてきた。「水戸黄門」やちょんまげ姿とリクエストに応じて演じ分け、女性看護師も着物姿で同行する。患者との話が弾み、職員間のコミュニケーションも活発になったという。

 2019年2月、取り組みを英語の論文にまとめ、英国のオックスフォード大出版の雑誌電子版に発表した。これがラヴィヴさんの目に留まり、今回の来県が実現した。

 ラヴィヴさんは約30年前にメディカル・クラウン活動に取り組み始め、患者を治療する傍ら、世界各国で普及活動にも取り組んでいる。「仮装訪問はストレスを軽減させ、免疫を高める。新村院長のチームは素晴らしく、ぜひ一緒に研究したい」と呼びかけた。新村院長は「参考になった。ぜひイスラエルでもコラボしたい」と意欲を示した。

 

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