「特定帰還居住区域」設定へ復興再生計画を策定 福島県双葉町 先行除染候補地約50ヘクタールを設定

 

2023/09/14 09:14

 

 福島県双葉町は東京電力福島第1原発事故に伴う帰還困難区域のうち、特定復興再生拠点区域(復興拠点)から外れた地域に「特定帰還居住区域」を設定するための復興再生計画を策定した。先行除染の候補地としていた下長塚行政区と三字行政区の一部計約50ヘクタールを設定。帰還意向を示した住民の生活圏を中心に面的に設けた。県の同意を得た上で近く、政府に計画案を申請する。政府は特定帰還居住区域として認定後、年内にも区域内の除染を開始し、早ければ3年後に避難指示を解除する方針だ。

 計画の策定は帰還困難区域のある県内7市町村で初めて。13日、町議会全員協議会で町が示した。

 下長塚行政区の長塚地区、三字行政区の目〓、水沢、前田各地区の一部を対象にした。帰還意向調査で帰る意思を示した町民の宅地、農地や道路、森林などの生活圏を踏まえ、線的な除染にならないよう、帰還意向のない住民の宅地を含めるなど面的にした。両行政区は地区内で復興拠点内・外に分かれており、「分断」を解消する狙いもある。

 政府は計画案の認定後、特定帰還居住区域へのアクセス道路なども含め、国費で除染してインフラ整備を進める。伊沢史朗町長は報道陣の取材に、「(今回の計画を)ベースに、住民の意向に寄り添って、広範囲な除染をしっかり進めてほしい」と述べた。

 

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