復興拠点に工場完成 福島県大熊町のF’s Factory ものづくりで地域貢献へ
エフズファクトリーの工場を見学する関係者
2023/12/14 09:13
福島県大熊町の製造業「F’s Factory(エフズファクトリー)」が町内の特定復興再生拠点区域(復興拠点)に建設を進めていた工場が完成した。東京電力福島第1原発の廃炉作業で活用する防護服などの製造や金属加工を担う。13日、現地で竣工(しゅんこう)式を行い、従業員がものづくりを通して復興に貢献する決意を新たにした。
町商工会によると、町内の復興拠点に民間企業が立地するのは、昨年6月に避難指示が解除されて以降初とみられる。工場は平屋で縫製室や倉庫、金属加工室を備える。防護服のほか、耐久性の高いテントの加工・溶着などを手がける。半導体製造の機械に使用される金属部品も加工する。将来的に廃炉が本格化するのを見据え、多様なニーズに応えていく。従業員は地元から7人を雇用し、今後も採用を進める。
式には関係者約40人が出席。名嘉陽一郎社長が「しっかりと汗をかき、地域の明るい未来に貢献する」とあいさつした。終了後、出席者が工場内を見学した。
エフズファクトリーは2021(令和3)年3月11日に設立された。大熊町で創業し、現在いわき市に拠点を構える金属加工会社「アイシーエレクトロニクス」、富岡町の電気・計装メンテナンス会社「東北エンタープライズ」、浪江町の縫製業「キャニオンワークス」が合同で立ち上げた。