漁業応援「全国の動きに感謝」 福島県漁連の野崎会長 処理水放出の年を振り返る
会合を終えた後、報道陣の取材に応じる野崎会長
2023/12/27 09:09
福島県漁連の野崎哲会長は26日、いわき市で開かれた今年最後の県漁協組合長会を終えた後、報道陣の取材に応じた。野崎会長は「(処理水の)海洋放出が始まったという点で、今年は福島県の漁業にとって節目の年だった」と一年を振り返り、「全国の皆さんの福島の漁業を応援する動きに感謝しながら、引き続き今後も応援をお願いしたい」と呼びかけた。
野崎会長は海洋放出について「本県漁業への大きな影響は今のところ出ていないと評価するが、東電と国には海洋放出が長期的であることをきちんと認識してもらい、1回ごとに新たな事業として緊張感を持って取り組んでほしい」と注文した。来年に向け「国の『がんばる漁業復興支援事業』を活用した継続的な水揚げ量の増加や隣県での操業再開を模索していく。水揚げも順調に増えているので、関係者と協力し引き続き取り組んでいく」と述べた。
県漁協組合長会では、東電担当者からこれまでの処理水の海洋放出の状況や今後の放出の手順、福島第1原発の作業員が10月に放射性物質を含む廃液を浴びた事故についての原因と対策などが報告された。