福島日産自動車、浪江町にEVパーク 多目的スペースやカフェ併設 電力供給に水素 2025年開所目指す
福島日産自動車が整備する浪江EVパーク(仮称)の完成イメージ
2024/02/15 09:44
福島日産自動車は福島県浪江町のJR浪江駅前に「浪江EVパーク(仮称)」を整備する。多目的スペースやカフェ、宿泊もできるミーティングルームなどを備えた交流拠点とする。電気自動車(EV)を非常用電源として置くとともに、これまで太陽光発電のみだったEVへの電力供給を水素発電でもできるようにする。環境に配慮した電力供給モデルを確立する。2025(令和7)年上期のオープンを目指す。
14日、日産自動車が浪江町で開いた浜通り連携協定サミットで、福島日産自動車の金子與志幸社長が発表した。浪江駅東側の約1290平方メートルの土地に新設する。木造2階建てで、再開発が進む駅周辺と調和し、開放的で幅広い世代が入りやすい空間を作り出す。
多目的スペースやカフェで住民らの交流を促進する。ミーティングルームは町内に泊まり込みで事業などができる環境を提供する。浪江で新たな取り組みを考える個人・団体向けのテナントエリアも設ける。
屋根には太陽光パネル、室内には水素燃料室を設置し、燃料電池を置く。日立製作所と連携し、水素が入ったボンベで蓄電する。蓄えた電力はパーク内で使う他、EVにも充電して災害時に役立てる。日産自動車のEVへの充電は太陽光発電での電力に限られていたが、EVパークでは水素発電でも対応できる仕組みを作る。「浪江モデル」として、電力供給の流れを他の店舗にも波及させたい考えだ。
金子社長は「なみえ水素タウン構想」を掲げる浪江町で、水素を活用した取り組みを進める意義を強調。その上で、「地域に根差した車のディーラーとして町に関わっていく。住民の利便性向上を図り、モビリティ(乗り物)の価値も高めていきたい」と決意した。