【動画あり】復活の社殿に田植踊奉納 震災で津波被災の苕野神社、13年ぶり「安波祭」 福島県浪江町

 

再建された社殿の前で初めて行われた安波祭で、浪江の復興を祈って舞う踊り手

 

2024/02/18 20:00

 

 東日本大震災の津波で被災し、再建された福島県浪江町請戸地区の苕野(くさの)神社の社殿が18日、お披露目された。社殿の前では13年ぶりとなる伝統行事「安波(あんば)祭」が催され、氏子らが新たな社殿の完成を祝い、豊漁や豊作を願った。

 祭りと神社の竣工(しゅんこう)式を兼ね、氏子や元住民ら約200人が集まった。神事を執り行い、浦安の舞や神楽が披露された。請戸芸能保存会が伝統の「請戸の田植踊」を奉納。5歳から60代までの踊り手12人が赤や青の色鮮やかな衣装を着て踊った。

 田植踊の披露は震災後70回目という節目だった。佐々木繁子会長(73)は「神社の前で踊るのを目標にしてきた。諦めずに続けてきて良かった」と感慨に浸った。請戸出身で小学4年生から踊り手を務める横山和佳奈さん(25)は「大勢の人の前で踊ることができ、懐かしさを感じた」と震災前の姿を思い起こした。

 祭りは本来、みこしが練り歩き、担ぎ手が冬の海に入って漁業の安全を祈願するが、震災後は中断している。氏子総代長の五十嵐光雄さん(76)は「今回は13年前をほうふつとさせる祭りにできて感無量だ。元の形での開催も目指したい」と社殿を見つめた。

 苕野(くさの)神社の社殿は請戸地区を襲った津波で流され、当時の宮司らが犠牲になった。災害危険区域となり、古里に帰還できなくなった氏子らが神社再建を決め、2022(令和4)年から工事が進んだ。

動画のURLは 

https://youtu.be/KUyhppLPku4?si=OQ-ITF8hk_N0Ymhi

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