思い出の運動会もう一度 4月統合の入遠野小で23日 28歳卒業生が準備 地域ぐるみ、楽しい時間に
笑顔顔あふれる運動会を目指して準備を進める矢代さん(左)。パソコンの画面内は佐川さん
2024/03/18 17:00
福島県いわき市遠野町の入遠野小で23日、「入遠野みんなの大運動会」が開かれる。入遠野小は上遠野小と統合して4月から「遠野小」となる。「地域の中心だった入遠野小にみんなが集い、笑顔あふれる時間をつくりたい」。卒業生2人が一念発起し、当日に向けて準備を進めている。
運動会を企画したのは、遠野町まちづくり検討会若者部会の矢代めぐみさん(28)と佐川奈央さん(28)。幼なじみの2人は現在、離れて暮らしているが、「入遠野は時の流れがゆっくり。みんな優しくて自然も豊かな心安らぐ場所」と古里への愛着は変わらない。
2人が通っていた当時、入遠野小では地域ぐるみでの運動会が開かれていた。みんなが校庭に集い、体を動かしたのは特別な時間だった。だからこそ母校が閉校になると知った時によみがえったのは、運動会の楽しい思い出だった。「当時のように入遠野小で運動会を開きたい」。昨年秋ごろから本格的に準備を進めてきた。
当日の種目は、当時の運動会で盛り上がっていた宝拾いや全員リレーに加え、地域の歴史や話題を問題にした「入遠野クイズ」なども予定している。運営に協力してくれる仲間も増え、広く参加を呼びかけている。当時の恩師など入遠野にゆかりのある人たちにも声を掛け、80人ほどが参加を予定しているという。「学校はなくなるけれど思い出が消えることはない。今回の運動会が、新たな入遠野の活性化につながるような機会にしたい」と願っている。
運動会は入遠野地区に縁にある人なら誰でも参加できる。申し込み、問い合わせ先は若者部会のメール tohno.wakamonobukai@gmail.com