地域リーダー育成 国連研修センターが発足 立地の福島県いわき市などと協定
協定を結び、国連旗を掲げる(右から)内田市長、メヒア部長、緑川理事長
2024/12/03 10:19
地域リーダーを育てる国連の「CIFAL(シファール)ジャパン国際研修センター」は2日、国内で初めて福島県いわき市に開設された。同日、設置元の国連機関と市、学校法人昌平黌が協定を結んだ。地域課題の解決を目指す国内外の起業家や公務員、指導者らに国連基準のプログラムで学習機会を提供し、持続可能な開発目標(SDGs)の実現を目指す。
シファールは国連唯一の人材育成機関「国連訓練調査研究所(ユニタール)」が世界各地に設置し、日本で35カ所目。2023(令和5)年は世界で422のプログラムを行い、約9万7千人が参加した。
シファールジャパンでは環境の持続可能性やESG(環境・社会・企業統治)、国際的リーダーシップに加え、国連側から期待されている、日本が直面する高齢化社会や災害リスクへの対応、復興などのテーマも扱う方針。講師はプログラムに沿った研究者や行政職員ら専門家を想定している。年12回ほど対面やオンラインで講座やセミナーを開き、本格始動は来年5月ごろを予定する。
意思決定機関「評議会」を中心に運営し、内田広之市長と緑川浩司昌平黌理事長が共同代表、元エクアドル外相のルイス・ガジェゴス氏が名誉議長、元国連大使の星野俊也大阪大名誉教授が副代表を務める。
締結式をいわき市役所で行い、ユニタールグローバル・ネットワーク部長のアレックス・メヒア氏と内田市長、緑川理事長が協定書を交わした。メヒア氏は「世界がいわき市やこの地域から学ぶことは多い。その学びを共有してほしい」と期待を述べた。内田市長が「日本のトップランナーになれる国際都市を目指す」、緑川理事長が「浜通りの復興を目指してきたが、これが一つの終着点だ」とあいさつした。メヒア氏が市と昌平黌に国連旗を贈り、掲揚式を行った。