語り部講話に手話通訳 福島県双葉町の伝承館 デフリンピックに合わせ

岩本さんが話す講話を手話で伝える滝田さん(右)
2025/11/17 10:34
東日本大震災・原子力災害伝承館は16日、福島県双葉町の館内で実施している語り部講話に手話通訳を取り入れた。Jヴィレッジ(楢葉・広野町)で開催されている聴覚障害者の国際スポーツ大会「東京デフリンピック」のサッカー競技に合わせて企画した。大会関係者の来館を見据え、受け入れ態勢を強化している。
この日は県聴覚障害者協会に所属する滝田真紀さん、富山里美さんが通訳を担当した。NPO法人富岡町3・11を語る会の講座を受講し、手話の表現方法を学んできた。伝承館の語り部を務める岩本美智子さん(双葉町)が話す東京電力福島第1原発事故による過酷な避難経験、命を守る行動を取る重要性を身ぶり手ぶりで伝えた。聴覚障害がある人ら約50人が受講した。
滝田さんは「語り部の思いを手話で伝えるのは難しさがある。(聴講者が)うなずいているを見てやりがいを感じた」と振り返った。
手話通訳付きの語り部講話は24日も行われる。時間は午前10時から。語り部会場のモニターには語り部が話した内容の日本語字幕を表示している。試験的な取り組みで、手話に加え、聴覚障害がある人に被災体験がより伝わるよう工夫している。




