伝統芸能や地域文化に光 福島県川内村で初の芸術祭にぎわう 後継者不足克服のため企画

村内の伝統芸能が一堂に会した芸術祭
2025/12/02 16:08
福島県の川内村芸術祭は11月30日、村コミュニティセンターで初めて開かれた。村内の伝統芸能や芸術文化団体による発表を繰り広げ、多くの来場者でにぎわった。村内で長年継承されてきた伝統文化や多様な活動に改めて光が当たり、住民がその魅力をかみしめた。
村、村教育委員会が主催し、各行政区長や芸術文化団体でつくる実行委員会が主管した。人口減が進む村内で課題となっている各団体の後継者不足を克服しようと企画した。神楽舞や獅子舞、浦安の舞、フラダンス、舞踊、大正琴、太極拳など12団体が出演した。
秋元綜一郎さん(15)=川内小中学園9年生=は上川内西郷地区に伝わる西郷獅子舞(県重要無形民俗文化財指定)の太郎獅子を演じた。身ぶりを大きくさせて飛び跳ねながらも繊細に、通常より短い20分間の舞いを披露し、会場から大きな声援を受けた。「舞いは400年近い歴史がある村の誇り。披露の機会が増え、受け継がれ続けてほしい」と期待した。
行政区長会長で実行委員長の久保田幸男さん(78)は「多くのお客さんでにぎわい、ありがたい。同じ獅子舞でも地域ごとに異なる面白さなどを知ってもらえたようでよかった」と達成感を口にした。
会場には川内小中学園の児童生徒の絵や川内俳句会、写真サークルなどの作品が展示された。




