マイクラいわき湯本版 今春にも登場 仮想空間で温泉街巡って 再生整備知る機会に 地元愛育み、観光誘客

地域イベントで建物外壁に映し出されたマインクラフト「いわき湯本版」のイメージ
2026/01/13 10:38
仮想空間で建物や街をつくる世界的人気ゲーム「マインクラフト(マイクラ)」に春ごろ、JR湯本駅前の街並みを再現した仮想空間「いわき湯本版」が登場する。いわき市常磐地区の地域住民でつくるまちづくり団体「じょうばん街工房21」が、いわき湯本温泉街の再生に関心を持ってもらおうと仕掛けた。世界中のマイクラ愛好家が温泉街の未来予想図を自由に想像し、ゲーム内で創造できる。若者らが地元に愛着を抱くきっかけにし、国内外からの観光誘客にもつなげる狙いがある。
マイクラは3Dの立方体ブロックで構成された仮想空間に、現実の世界を模した地形が広がる。ゲームのプレーヤーは仮想空間を自由に作れる。そこに街工房が着目し、専門クリエーターにいわき湯本版の作成を依頼し実現した。早ければ今春にもパソコン版のマイクラで利用可能になる。
いわき湯本版は、市の市街地再生整備事業の対象となっている常磐地区の街並みに湯本駅をはじめ、御幸山公園などの観光スポットなどを再現。プレーヤーは空間内を自由に探索し、建物のスクラップ・アンド・ビルドを繰り返しながら、思い思いの発想で湯本温泉のこれからをイメージし形作ることができる。
市や街工房はこれまで、地元住民らを対象としたワークショップを開催するなどし、再生整備後の湯本駅前や温泉街の在り方について意見を交わしてきた。新たにマイクラを活用した取り組みが始動すれば、湯本温泉の再生整備を県内外に広く発信できる。温泉街の魅力を再発見したり、海外のマイクラ愛好家が湯本温泉を訪れたりするきっかけになり得る。
街工房の小泉智勇会長(55)は「ゲームの中で、さまざまな人に湯本温泉街を歩いてもらいたい。『湯本がどんなまちになっていくのか』と高揚感を高めていくきっかけになればうれしい」と期待している。
いわき湯本温泉街は東京電力福島第1原発事故やコロナ禍などを経て観光客数が落ち込み、旅館の廃業などが相次いだ。市によると、いわき湯本温泉の2024(令和6)年の観光客数は約21万7千人で、原発事故前の水準約60万人に比べ、約3分の1にとどまっている。
市は観光客を呼び戻そうと湯本駅前を中心とした温泉街全体の再生整備事業に着手。原発事故前と同水準の観光客数に戻す目標を掲げる。交流拠点施設の整備やにぎわい再生事業などを盛り込んだ基本計画を2022年に策定。現在、県の認可を受けた駅前周辺の土地区画整理が進む。交流拠点施設は2031年ごろの供用開始を目指している。
※マインクラフト マイクロソフト社が提供するゲーム。通称マイクラ。3Dの立方体ブロックで構成された仮想空間に、現実の世界を模した地形が広がる。プレーヤーはブロックの石や木、土などで家や建物、街を作ったり壊したりしながら、自由に建築、採掘、探検などを楽しむことができる。決まったルールやゴールはない。パソコンや家庭用ゲーム機、スマホなどでプレーでき、オンラインで複数人と協力し合うことも可能。創造性やプログラミング的思考を育むため、教育現場でも活用されている。




