水素関連施設を建設へ オオクマテックが地元・福島県大熊町と協定 来年3月の完成目指す

 

粉体水素の製造・開発に向けて決意する李社長(左から2人目)。左は吉田町長

 

2026/01/27 11:36

 

 水素燃料電池ドローンなどを手がける福島県大熊町の「OKUMA TECH(オオクマテック)」は、町内の大熊中央産業拠点に水素関連装置の製造・研究工場を建設する。水素を粉体にして活用できる「粉体水素」の製造・開発を核とし、水素社会の実現や東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの地域の復興に貢献する。来年3月末の完成を目指す。26日、町と同社が企業立地協定を結んだ。

 粉体水素はホウ酸ナトリウムを含ませて、水素を粉体にする。常温で貯蔵して輸送ができる。運搬後は使用先で加水分解させて水素を取り出し、モビリティ(乗り物)の燃料などに幅広く活用できる。低温貯蔵が必要な液化水素など一般流通している水素に比べ、貯蔵・運搬がしやすいのが特徴だ。次世代型の水素として注目されている。

 これまでも粉体水素の研究・開発は企業などが取り組んでいるが、製造コストや加水分解の技術に課題があり、社会実装が進んでいないのが現状。オオクマテックは粉体水素の製造システムや加水分解装置で特許を取得し、効率的な製造に成功した。

 工場は約7千平方メートルの敷地に新設。粉体水素の製造・開発に加え、水素燃料電池など水素関連製品の量産化を推し進める。地元を含めた新規雇用を計画し、詳細な人数は今後詰める。

 李顕一社長は26日、町内で記者会見し、「既存の水素技術を活用し、まずは『小さな水素社会』を構築していく。世界で活躍できる企業を目指し、大熊の活性化に貢献したい」と決意した。同席した吉田淳町長は「町が掲げるゼロカーボンの取り組みに寄与すると期待している」と述べた。

 オオクマテックは2021(令和3)年に「OKUMA DRONE」として創業。昨年6月に現在の社名に変更した。町内の産業交流施設「CREVAおおくま」に拠点を置いている。今月、経済産業省のスタートアップ企業支援プログラムに選定された。

 

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