マルチ水素供給施設開設へ 住商、浪江町と協定締結 移住促進もサポート
住友商事は浪江町に国内初のマルチ水素ステーションを設置する方向で検討に入った。水素利活用と東日本大震災・東京電力福島第一原発事故からの復興まちづくりに向けた町との連携協定締結式が二十五日、オンラインで行われ、同社が方針を示した。
マルチ水素ステーションは、水素を活用して走る乗用車だけにとどまらず、バスやトラクター、フォークリフト、小型無人機(ドローン)などに水素を供給できる設備。同社によると、現時点で国内に開設されていないという。ステーション導入に向けた事業化調査を同社と町が共同で推進し、水素社会の実現を目指す。設置時期など詳細は今後詰める。
復興まちづくりの面では、同社が東京都内で展開している人材育成・ビジネスマッチング事業の手法を、町が町内の中心市街地活性化事業に取り入れる方向で検討している。移住促進に向けて産学官の関係者を呼び込む施策を展開する。
締結式は都内の住友商事と町役場をつないで行われた。吉田数博町長と同社の森肇執行役員がそれぞれあいさつし、協定書に署名した。吉田町長は「新産業の発展には同社の専門的知見や技術が必要不可欠。若い人を中心に学びに来てほしい」と語った。