持続可能なまち実現へ 浪江町 3次復興計画案策定委、町長に答申

 

 浪江町復興計画策定委員会は「持続可能なまち」の実現に向けた具体的な方向性を示す第三次復興計画案を二十六日、吉田数博町長に答申した。町民の生活再建と移住・定住推進、水素社会実現と二酸化炭素排出量実質ゼロへの取り組み推進などを盛り込んだ。 

 計画期間は二〇二一(令和三)年度から二〇三〇年度までの十年間。重点施策に新産業創出や子育て環境・学校教育の充実、東京電力福島第一原発事故に伴う帰還困難区域の全域解除、介護・福祉の充実なども含めた。 

 委員会は学識経験者と町民ら十五人で構成し、昨年八月から計四回協議した。委員長の川崎興太福島大共生システム理工学類准教授、副委員長の佐藤秀三町行政区長会長が二十六日、町役場を訪れ、吉田町長に計画案の冊子を手渡した。 

 川崎准教授は取材に「町の住民登録者の九割を占める避難者の生活再建に向けた実態調査を行い、必要な支援は何か、支援を要するのか把握してほしい」と指摘。その上で「農地や森林の再生と浪江駅前の再開発に注力し、町再生に意欲ある若者を呼び込むことが大事だ」と強調した。 

 第三次復興計画案は町が町議会三月定例会に議案として提出し、議決を経て決定する。

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