水揚げ量過去最多 福島県沿岸試験操業 昨年の前年比1.26倍
東京電力福島第一原発事故の発生後に福島県沿岸で続けられている試験操業で、二〇二〇(令和二)年の水揚げ量(速報値)は約四千五百三十二トンとなった。前年同期比一・二六倍で、これまで最多だった二〇一八年の約四千十トンを上回った。四日、県漁連への取材で分かった。
水揚げ量は相馬双葉、いわき市、小名浜機船底曳網の三漁協が実施する底引き網、船引き網などの合計値。原発事故前の二〇一〇年の17・5%に当たる。県漁連によると、相馬双葉漁協が主力の沖合底引き網漁船の漁獲量拡大を図るため、昨年九月から新たな漁業復興計画に取り組んでいることなどが増加の主な要因だという。
県漁連では、今年四月からの本格操業開始を目指して議論が進められており、野崎哲会長は「今回の数字は、今後の操業の弾みになる。少しずつ実績を積み重ねるとともに、市場への安定供給に努めていきたい」と話した。