地元産品で「プロテイン」 ふたば未来高女子サッカー部員といわきの業者
広野町のふたば未来学園高女子サッカー部の生徒と、いわき市の水産加工業者らでつくる商品開発チーム「SEVEN SEAS(セブンシーズ)」は、高タンパクでヘルシーな福島県沖産ヒラメの身と相馬産のみそ、塩こうじを使った新商品「FISH PROTEIN(フィッシュプロテイン)」を作った。「浜通りの魚のおいしさを広く発信し、県産食品の風評払拭(ふっしょく)につなげたい」としている。
同校三年の高橋七海さん(18)=相馬市出身=が「未来創造探究」の授業の実践テーマとして商品開発を企画した。震災後、漁師である父親の姿を見て県産農水産物の風評軽減へ思いを強くしていた。一方、自身は小学四年からサッカーに打ち込み同校女子サッカー部に入ったが、膝のケガで入院を経験。その際に「病院食でも魚をおいしく味わうことができれば」と考えたのを契機に、食品の開発に取り組んだ。
自身の経験も踏まえてアスリートや健康志向の人も食べやすいものを-と、開発チーム内で企画会議や試作を繰り返した。数種類の白身魚の食べ応えを比べ、相馬でも多く水揚げされるヒラメを選択。運動部の生徒らに試食してもらい「みそ味にしては」と提案を受けた。最終的に、みそと塩こうじを混ぜた調味料を柵状のヒラメの身三枚に塗り、身を重ね合わせて袋に入れて真空状態で加熱する方法で商品化した。
高橋さんは九日、昼休みに校内で新商品のお披露目販売を行った。教員や生徒が次々と足を止めて買い求めるなど好評で「開発段階では苦労もあったが商品化できてうれしい。福島の魚のおいしさと安全性の高さを、多くの人に知ってほしい」と話している。
十四日には相馬市の「浜の駅松川浦」で午前十一時から午後一時半まで、百個限定で一般向けに販売する。価格は一個三百円(税込み)。