3月16日、広野で朗読劇 郡山に避難時の住民の言葉基に
NPO法人富岡町3・11を語る会は三月十六日、東京電力福島第一原発事故直後に郡山市のビッグパレットふくしまに避難した富岡町や川内村の住民の言葉をまとめた朗読劇を広野町のふたば未来学園中・高で開く。台本と演出を担当する青木淑子代表(72)は「ものすごいつらい思いをしながら踏ん張っている人たちの強さを言葉を通して感じてほしい」と話している。
ビッグパレットふくしまの避難所には主に富岡町と川内村の住民が避難し、一時県内最多の約二千五百人を受け入れた。台本は記録本「生きている 生きてゆく ビッグパレットふくしま避難所記」に収められた避難者の何気ないつぶやきを中心にまとめた。
朗読劇に富岡町民やふたば未来学園高生ら約二十人が出演する。稽古は一月に始まった。
出演する富岡町の無職西山栄子さん(68)は当時、ビッグパレットふくしまで一カ月以上寝泊まりした。避難時の自分の思いを知ってもらえるよう表現を磨いていきたい」と公演に意欲を燃やす。
三月十六日は、川内村が全村避難になり、富岡、川内両町村の住民がビッグパレットふくしまに避難してからちょうど十年に当たる。青木代表は「両町村の人にとって忘れられない日であり、発信していかなければならない日。今も継続している避難者の苦しみと、十年間懸命に生きてきたことを知ってもらいたい」と語った。
午後二時開演で、同時にふたば未来学園高演劇部の公演なども開かれる。入場無料だが事前申し込みが必要。後日、DVDの販売や動画配信も予定している。